Guide 6: Turning Chains and Joining Rounds: Mastering Rows and Rounds in Japanese Crochet

Guide 6: 段の編み始めと段のつながり

知っておきたい段の編み始め

Guide 5までで、日本の編み図でよく見かける編み図記号を、ひと通りご紹介しました。

今回からは、より実践的に、編み図の読み方を取り上げていきます。

まずは、編み図を読むうえで欠かせない「段の編み始め」と「段のつながり」についてです。
こま編み・中長編み・長編み・長々編みで編むとき、段の編み始めがどう違うのかを、編み図を並べて見ていきましょう。


往復編みと輪編みの違い

かぎ針編みには、大きく分けて往復編みと輪編みの2つの編み方があります。

往復編みは、1段編むごとに編み地を裏返して、行ったり来たりしながら編み進める方法です。表を見て編む段と、裏を見て編む段が交互にくり返されます。
マフラーやコースターなど、平らな四角い編み地によく使われます。

輪編みは、編み地を裏返さずに、ぐるぐると同じ方向に編み進める方法です。いつも表を見て編みます。
中心から円形に編み広げるモチーフや、帽子、バッグの底などによく使われます。

編み図では、次のような違いがあります。

  • 往復編み:段ごとに編む方向が変わるので、立ち上がりの位置が、右端・左端と交互になります。
  • 輪編み:いつも同じ方向(反時計回り)に編むので、立ち上がりはいつも同じ位置に並びます。


立ち上がりのくさりの考え方

段の編み始めには、次の段の高さまで糸を持ち上げるために、くさり編みを編みます。これを立ち上がりと呼びます。

日本の編み図では、立ち上がりのくさりは新しい段の最初に描かれています。
段数の数字も立ち上がりの横に書かれていることが多いので、「どこから編み始めるのか」がひと目でわかります。

また、立ち上がりのくさりを1目として数えるかどうかも、編み方によって決まっています。

  • こま編み:立ち上がりのくさりは1目として数えません。
  • 中長編み・長編み・長々編み:立ち上がりのくさりを、その段の1目めとして数えます。

英語のパターンでは、立ち上がりのくさりは「turning chain」と呼ばれ、「ch 3, turn(くさり3目を編んで、裏返す)」のように、前の段の最後に書かれていることがよくあります。

また、立ち上がりを1目と数えるかどうかは、デザイナーやパターンによって違うことがあります。特に中長編みや長編みでは扱いが分かれるため、「ch 3 (counts as first dc)」「ch 2 (does not count as a st)」のように、そのつど書き添えられています。

日本の編み図では、立ち上がりの数え方がほぼ統一されていて、立ち上がりの位置も図の中に描かれているため、編み図だけで把握することができます。


編み方ごとの高さと、立ち上がりのくさりの数

かぎ針編みの基本的な編み方は、それぞれ、くさり何目分の高さになるかという目安があります。

  • こま編み:くさり1目分
  • 中長編み:くさり2目分
  • 長編み:くさり3目分
  • 長々編み:くさり4目分
かぎ針編みの基本目の高さの比較。細編みは鎖1目分、中長編みは2目分、長編みは3目分、長々編みは4目分の高さ


立ち上がりのくさりは、その段の高さまで糸を持ち上げるためのものです。そのため、基本的には編み方の高さと同じ数のくさりを立ち上がりとして編みます。
こま編みならくさり1目、長編みならくさり3目、となります。

日本の編み図では、編み図記号の長さも、この高さの違いを表すように描かれています。立ち上がりのくさりの数と、記号の長さが対応しているのがわかります。

編み図でかぎ針編みの基本的なステッチを見ると、先ほどくさりの高さで示したような高さの違いを出しながら描かれていることが分かります。


編み図で見くらべてみましょう

それでは、こま編み・中長編み・長編み・長々編みのそれぞれを、往復編みと輪編みの編み図で見くらべてみましょう。

・こま編み

かぎ針編み編み図の例:こま編みの往復編みと輪編み

こま編みの立ち上がりは、くさり1目です。立ち上がりを1目と数えないので、立ち上がりのくさりは、段の端の記号の外側に描かれています。
編み図例のような往復編みでは、1目めのこま編みは、1段目では立ち上がりのくさりの1目手前の作り目のくさりに、2段目以降は立ち上がりの根元にある前の段の最後の目に編み入れます。
輪編みでは、1段目は輪の作り目に、2段目以降は前の段の最初のこま編みの頭に編み入れます。

・中長編み

かぎ針編み編み図の例:中長編みの往復編みと輪編み

中長編みの立ち上がりは、くさり2目です。立ち上がりを1目と数えるので、段の端の中長編みの位置に、立ち上がりのくさりが描かれています。
往復編みの例では、立ち上がりが中長編み1目とみなされるので、1段目の2目めの中長編みは、立ち上がりの根元の作り目をとばして次の目(針から4目めのくさり)に編み入れます。また、2段目の最後の中長編みは、1段目の立ち上がりのくさりの2目めに針を入れて編みます。
輪編みの例では、2段目で増目をしているため、2段目の立ち上がりのくさりを2目編んだ後、1段目の立ち上がりのくさりの2目めに針を入れて中長編みを編みます。

・長編み

かぎ針編み編み図の例:長編みの往復編みと輪編み

長編みの立ち上がりは、くさり3目です。中長編みと同じように、立ち上がりを1目と数えます。

・長々編み

かぎ針編み編み図の例:長々編みの往復編みと輪編み

長々編みの立ち上がりは、くさり4目です。立ち上がりを1目と数えます。

往復編みの編み図では、立ち上がりが右端と左端に交互に描かれていて、段数の数字と矢印も左右交互に並んでいます。
輪編みの編み図では、立ち上がりがいつも同じ位置にあります。
編み図を見るだけで、往復編みか輪編みかがすぐにわかりますね。

輪編みの段のつながり

輪編みでは、段の最後まで編んだら、その段の最初の目に針を入れて引き抜き編みをします。これで、その段が輪としてつながります。

引き抜き編みの記号(●)は、段の最後に、立ち上がりのすぐ横に描かれています。

  • 中長編み・長編み・長々編み:立ち上がりのくさりの一番上の目に引き抜きます。
  • こま編み:立ち上がりのくさりは1目と数えないので、1目めのこま編みの頭に引き抜きます。

引き抜いたら、次の段の立ち上がりのくさりを編んで、次の段を編み始めます。

かぎ針編み編み図の例:こま編みの輪編みの最後にある引き抜き編み記号の例

英語のパターンでは、「join with sl st to first sc(最初のこま編みに引き抜いてつなぐ)」「join with sl st to top of beg ch-3(最初のくさり3目の上に引き抜いてつなぐ)」のように、文章で書かれています。

日本の編み図では、●の記号の位置で、どこに引き抜くのかがわかります。


まとめ

今回は、段の編み始めと段のつながりについてご紹介しました。

  • 往復編みは、段ごとに編み地を裏返して編むので、立ち上がりの位置が左右交互になる
  • 輪編みは、いつも表を見て同じ方向に編むので、立ち上がりはいつも同じ位置に並ぶ
  • こま編み・中長編み・長編み・長々編みは、それぞれくさり1・2・3・4目分の高さなので、立ち上がりのくさりもその数だけ編む
  • こま編み以外は、立ち上がりのくさりを1目と数える
  • 輪編みは、段の最後に最初の目に引き抜き編みをして、段をつなげる

段の編み始めがわかると、編み図のどこから読み始めればいいのかが、ぐっとわかりやすくなりますね。

次回 Guide 7では、往復編みの編み図をもう少しくわしく見ていきます。お楽しみに!

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